アドバイザーの原田です。
13土、14日と、WFATTのワールドコングレスに参加してきました。
WFATTとは、World Federation of Athletic Trainer and Therapyの略で、日本訳にすれば世界アスレティックトレーナー&セラピスト連合というような感じでしょうか。この団体を要約すると、世界各国のアスレティックトレーナーとアスレティックセラピストの各協会をまとめる上位団体に位置する世界のトレーナーの最高位団体です。2001年にアメリカ、カナダ、イギリス、日本など6ヶ国7団体で設立され、現在は世界各国の15加盟団体で構成されています。そのWFATTが世界のトレーナーの教育と各国共通の質の高い理論と実践を目出して2年1回コングレス(会議)をおこなっています。今回は第4回でそれが初めて日本で開催され、競技選手のためのアスレティックリハビリテーションとコンディショニングにフォーカスをあておこなわれました。
加盟団体の一つである日本の日本体育協会の主催で開催され(日本はその他、日本アスレティックトレーナーズ機構と、日本アスレティックトレーナーズ協会が加盟)、まず、オープニングスピーチとして、体協の会長である森喜朗氏(元総理)や、WFATT会長のCatherine Ortega氏と続いた。その後本題に入り、最新のアスレティックリハビリテーション理論と実践について、国内外よりの演者がそれぞれの分野を発表された。内容は多岐にわたったが例えば、肩関節(肩甲上腕関節)に関する云々を考えるには肩甲骨の動き(肩甲胸郭関節)を共に考えることが必須であることが、あらためて多くの演者よりもその研究と理論が示された。別には、プロテインサプリメントの継続摂取は免疫を高める(コンディションを崩さない)ことなどの発表も。また、肩や膝関節の動きの中での僅かな弛みをみつけ見ることが出来る測定法などが広島国際大学助教授の蒲田和芳氏より発表された。蒲田氏さんとここ何年も会っていなくその後の立ち話しで久しぶりに会うことができ、この研究・測定法の今後の発展に協力することになるかもしれなくなった。あるいは、ケガの発生云々にはインソールが重要であることの発表や、 特に一番驚いたものに元NATA会長であるDennis A Miller氏の発表で、膝の前十字靭帯の再建手術に際に使われる部位は、ハムストリングスの腱ではなく膝蓋靭帯が良い、とのこと発表であった。一般的には膝蓋靭帯での再建はあまりよくないといわれていたのだが、それはアスレティックリハビリテーションの方法の問題であったためで、その方法をこの発表した正しく方法でおこなえば、ハム腱よりも膝蓋靭帯の方が、競技復帰がとても早くその後のゆるみも無く良いとの結果であったのだ。やはり何でも最先端のスポーツ医学や科学を追いかけていないと、遅れた理論のことをやり続けてしまうのだなー。世の中は常に進んでいる。。
スポーツ選手やスポーツを愛好するものにはケガはつきものである。起こってしまったケガはどうしようもないが、最も大切なことは、その予防と、やはりその後のアスレティックリハビリテーションであることがあらためて認識されたコングレスであった。今は、手術の翌日からメディカルリハビリテーションが始まる。その後退院して病院を離れてからがアスレティックリハビリテーションだ。その方法をよく知るトレーナーも少ないのが現状ではなのだが、ケガをしたら、その回復には最先端の正しい理論と実践が出来るトレーナーにアスレティックリハビリテーションをみてもらうことが重要で、それがその後の自分のスポーツ能力に大きな影響が出るであろうということです。
その他にも色々な内容があったが、チタンの効果?、についての発表もあった、最近よくチタンテープを張ったり、チタン入りのネックレスを身につけて、身体状態が良くなったというものがあるが、本当にそのような効果があるのか、いったものである。手術をして体内に骨の変わりなどでチタンを入れるのは一般的だが、その方々約100人に追跡調査をおこない、チタンを体内に入れたその後身体の調子が良くなったかを調べたものだ。その結果は全て良好への変化無し(チタンの効果ナシ)と結論されていた。この結果には私も同意見です。。
この世界のトレーナー達が、アスレティックリハビリテーションに加圧トレーニングを用いれば、今までの理屈では考えられないほどの良い結果が出ることに驚き、このような大きな団体会議でそのような発表もおこなわれるようになるだろう。。がまだまだ先のことなのか・・。
写真は、WFATT副会長のJoe Piccininni氏の閉会のスピーチと、会参加でもらえた記念品のバックです。
文が長くなってスミマセン。。では。