全力の7割程度の速さで歩く速歩と、通常の歩きを3分おきに繰り返す「インターバル速歩」を1日30分以上、週4日以上、5カ月間行うと、脚の筋肉強化や運動能力の向上につながることをお伝えした。これは、信州大学大学院教授の能勢博氏が長野県で実施した実証実験で得られた結論だ。
インターバル速歩を大いにやる気にさせてくれる実験結果だが、「効果が見えるまで5カ月間続けられるかな」と心配になる方もいるだろう。そこで、もう少し短期間で実感できる効果について能勢氏に聞いてみた。すると、「個人差はあるが、1週間で汗をかきやすくなり、2週間で肥満傾向の人は体重が1キロ程度減り始める」といった効果を実感できることが分かった(表)。
さらに2〜4カ月続けると、脚やお尻の格好がスマートになるなど、大半の方が見た目の効果を実感できるようになるという。加えて、階段登りが楽になってくる点も好評だった。1年後には山登りに挑戦する人も増えたという。(稲川哲浩=日経Gooday)
1日目 足や下半身がぽかぽかしてすっきり感じる。心地よい疲れを感じる。
1週間 汗をかきやすくなり、夏場は体が涼しく感じる。冬場は体が温かく感じ、薄着で過ごせる。
2週間 肥満傾向の人は体重が1kg程度減少し始める。
1カ月 以前より、歩くのが楽になる。姿勢が良くなったと周囲から言われる。夜間は良く寝られるようになり、昼間の体調も良い。
2カ月 体が疲れにくくなり、食事の支度や買い物など、家事のフットワークが軽くなる。
3カ月 風邪をひきにくくなる。気が重い日が減る。腰や膝の痛みが取れる。
4カ月 顔の肌に張りが出てくる。足やお尻の格好がスマートになる。
5カ月 体力測定・健康診断の結果、筋力・持久力が10%向上し、高血圧、高血糖、肥満の症状が20%改善する。
1年 旅行、山登りなど、以前は体力に自信がなくて控えていたことにも挑戦したくなる。
2003〜2007年に信州大学で行った「インターバル速歩」の実証実験で参加者(約4000人の中高年者)が感じた効果をまとめた。(Nose H,et al. J Physiol(Lond.)2009;587:5569-5575.)
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100008/110100003/?ST=exercise&P=3